2019年4月11日木曜日

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ペイパルはビザ、マスターをどう見ているか?

ペイパルの2018年のannual reportからVisa、Mastercardの語句を拾ってみた。

 We have entered into strategic partnerships with Visa and Mastercard and other credit card networks to further expand our relationships in a way that will make it easier for merchants to accept and consumers to choose to pay with their respective credit and debit cards. During the terms of these agreements, Visa and Mastercard have each agreed to not enact or impose any fees or rules that solely target PayPal. Upon termination of the agreements, PayPal could become subject to special digital wallet fees or other special assessments.
上記の文章の内容では、
「VisaとMastercardとは提携を結んでおり、PayPalのみを対象とする
料金や規則の制定をしない、課さない」
としている。

しかし、最後の文章で、
契約が終了すると、PayPalは特別なデジタルウォレット手数料、
さもなくば、他の特別な判断を受ける可能性がある
と危惧している。

ペイパルにとって、ビザ、マスターは怖い存在なのだろうと思う。

参考までに、"Square"で検索したが、ヒットはしなかった。

株式投資は自己責任で。

2019年4月8日月曜日

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米国株配当生活で怖いのは、増配を減配に替える円高

為替は過去に1ドル80円を切った時期があった。
米国株配当を期待する投資家にとって、配当は米ドルである。
再配当投資する場合には、そのまま米ドルで再配当可能なので便利。

しかし、米国株配当で、日本にて日本円で生活する投資家にとっては、
為替リスクで簡単に減配される。

為替が1ドル100円から80円まで円高に推移し、
増配20%(配当1ドルから1.2ドル)の銘柄(持ち株100株)があったとする。

①その場合の円での取り分は、
1.2ドル×80円/ドル×100株=9,600円

②為替が変わらずに100円の場合、
1.2ドル×100円/ドル×100株=12,000円

③為替が変わらずに100円の場合で、増配もなかった場合
1.0ドル×100円/ドル×100株=10,000円

まとめると、配当額の大きい順で、

②(20%増配・為替変動無)> ③(配当・為替変動無) > ①(20%増配、20%円高

となる。






増配が20%になっても、円高が20%進むと、円での手取りは少なくなる。
米国銘柄で有配はすべて適用される。怖!
アメリカ(とくにハワイ)での生活を夢見るかなぁ。
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マスターカードが認識している競争相手

マスターカードの2017年度のAnnual ReportのCompetitionの概略。

①Cash, Check and legacy ACH.
 現金、小切手、そして伝統的な小口決済。

②General Purpose Payment Networks
 一般的な支払いネットワーク。
 すなわち、Visa, American Express, JCB, China UnionPay、Discover, その他だそうです。
We compete worldwide with payment networks such as Visa, American Express,
JCB, China UnionPay and Discover, among others.
③Debit and Local Networks
 デビットカードとローカルネットワーク。
 すなわち、さまざまな国のATMおよびPOSデビットネットワークと競合している。
 ロシアのMIRのようなデビットに焦点を絞った国内カードも含まれていると。
Certain jurisdictions have also created domestic card schemes that are focused mostly on debit (including MIR in Russia).
④ Competition for Customer Business
 顧客事業に対する競争。
 Visa、Mastercard、Amex, Discoverの4社間競争を指している。

⑤Real-time Account-based Payment Systems
 リアルタイム会計ベースの決済システム
 Mastercardが買収したVocalLinkのことを言いたいらしい。
 VocalLinkは、英国で24時間365日リアルタイムで即時決済が可能であり、
 且つ小口決済については安価な手数料(ビジネス用途)または無料(個人ベース)
 で利用できるFaster Paymentsを構築しており、MastercardはそのVocalLinkを買収したと。

Alternative Payments Systems and New Entrants
 代わりの支払システムと新規参入者

 下記の抜粋文章から、Paytm、PayPal、Alipay、Amazon、mPesaが列挙されている。
Examples include digital wallet providers (such as Paytm, PayPal, Alipay and Amazon), mobile operator services, mobile phone-based money transfer and microfinancing services (such as mPesa),  handset manufacturers and cryptocurrencies.

⑦ Value-Added Products and Services
 付加価値の製品とサービス
 一般論の説明なので割愛。

マスターカードが言及した会社、サービス名。

Visa
American Express
JCB
China UnionPay
Discover
Paytm
PayPal
Alipay
Amazon
mPesa
VocalLink(買収済)

PaytmとmePesaは知らんかった。
インドとアフリカでのモバイル送金サービスのことを指すらしい。

私の英文解釈には誤訳の可能性もあるので、正確にはAnnual Reportの英文を
読んでください。

株式は自己責任で。

2019年4月7日日曜日

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ビザが認識しているリスクで、具体的に挙げられている会社名

ビザの2018年度のAnnual ReportのRisk Factorsから、ビザ自身が認識しているリスク
要因はこちら。

①規制リスクについての抜粋文章。
Government-imposed restrictions on international payment systems may prevent us from
competing against providers in certain countries, including significant markets such as China,India and Russia.
Mir and UnionPay have grown rapidly in Russia and China, respectively, and are actively pursuing international expansion plans, which could potentially lead to regulatory pressures on our international routing rule (which requires that international transactions on Visa cards be routed over VisaNet).

とくに中国、インド、ロシアの市場に対する政府の規制についてリスクありと。
ミール(ロシア)と銀聯については、急速に成長しており、国際化への拡大計画を
警戒しているようだ。
私の誤訳もあるので、正しくは英文で理解してください。

②訴訟リスク
 どの事業にも訴訟リスクはあるから割愛

③事業リスク
 会社名を特定している文章は下記。
Some of our competitors, including American Express, Discover, private-label card networks, virtual currency providers, technology companies that enable the exchange of digital assets, and certain alternate payments systems like Alipay and WeChat Pay, operate closed-loop payments systems, with direct connections to both merchants and consumers.
警戒しているのは、デジタル資産の交換とクローズドループの支払いシステムだと。
私の誤訳もあるので、正しくは英文で理解してください。

④テクノロジーとサイバーセキュリティリスク
⑤体制・組織的なリスク
 上記の2つは割愛。

リスクの章のなかで、具体的な会社名、製品名に言及しているのは、

Mir
Union Pay
American Express
Discover
Alipay
WeChat Pay

あれ、Mastercardがないけど、いいか、当然の競合相手だから。

株式投資は自己責任で。






2019年4月4日木曜日

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長期の米国株投資は右肩上がりというが、10年で株価が10年前に戻ったらどうする?

2000年にダウ平均株価に投資した人は、利益を出すまでに2011年までの10年間
以上塩漬け状態を強いられた(配当は加味しない)。

ダウ平均株価に2000年に投資した場合、2007年度に1年間投資利益が出るが、
再度2008年には、またダウ平均株価は下降し、2011年までの我慢を強いられる。















投資銘柄数の多いS&P500を見てみよう。
1997年に投資した人は、10年間利益が出ていた。
長期っていいなぁと思ったら、12年後の2009年に1997年株価水準まで落ちた。
12年も持ち続けたのに、投資利益はプラスマイナスゼロ、耐えられますか?



10年間持ち続けて、投資した株価水準まで戻したら、あなたはどうします?
それでも次の10年間持ち続けますか?

2019年の今のダウ平均、S&P500株価をみると、持ち続けたほうが良かった
ことになるが、それまでには、相当の忍耐と辛抱が必要なことが理解できました?

S&P500でいえば、1991年~2000年の9年間は、大きな急落もなく利益を享受できた
投資期間であった。同様に2012~2018年もほぼ同じことが言える。

ただし、10年間という投資期間でみると、その経済環境などにより、不運な期間も
存在する、ということを長期投資では考えておきたい。

急落は買いだというけど、10年間持ち続けた人が言えるかねぇ。

株式投資は自己責任で。




2019年4月3日水曜日

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ジレット(P&G)に投資した理由は髭が伸びるから、ならば、カード枚数が伸びるなら...

ビザのanual reportから、各クレジット会社の発行枚数をグラフにした。
2017年度でビザは32.4億枚、マスターは18.2億枚。
ビザ・マスタ合わせて50億枚。

2009年度でビザは18.0億枚、マスターは9.6億枚だから、
リーマンショックからカードの発行枚数を約2倍弱伸ばしたことになる。

枚数でいえば、AMEXとJCBは、正直蚊帳の外だ。

このカードは、クレジットカードで、デビットを指してはいない。

デビットを入れたら、銀聯カードがトップに躍り出ると思う。
銀聯も、上場しないかなぁ。

バッフェットはジレットの投資で、こう述べている。
「地球に住む25億人の男性のヒゲが少しずつ伸びている」

ビザ・マスタならどうだろう。
「いまは買いものをするたびに、キャッシュレス(スマホ)決済を
 使うようになった」

ちょっと無理があるタイトルだったけど、まぁいいや。

株式投資は自己責任で。



2019年4月2日火曜日

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5G銘柄としてのビザ、マスターカードを考える

5G銘柄として、思いつくのが、半導体、設備機器、スマホを含めた
ハード・ソフトウェア周りの銘柄と思っていると、まだ思慮不足なの
かもしれない。

カリフォルニアのゴールドラッシュで、儲けた企業は最近IPOをしたリーバイス。
ゴールド採取の作業着として、丈夫さが受け、売れまくったと言われている。
ゴールドが取れようが、取れまいが、関係なく、作業着は必要。

アマゾンなどのネット通販の躍進で、必要な材料といえば、段ボールだ。
今となっては、注目当然の段ボール銘柄だが、ネット通販の人気から、
段ボール銘柄が注目されるなんて、事前に発想(発送でもいい)できた人が
どれだけいるだろうか?

そして、5Gブームに沸く銘柄で恩恵を受けるのが、決済ネットワークの大手
ビザ、マスターカードだと考える。
キャッシュレス決済が増えれば、増えるほど、決済ネットワークの処理量が増える。
カード決済のすべてが、ビザとマスターカードに流れる訳ではないが、処理量は
増えるとみるのが自然だろう。
5Gにより、ネットワークの速度が上がれば、決済の処理体感時間も短くなり、
今よりも便利になるはずだ。
そう、5Gの技術推進により、モバイルキャッシュレスの後押しも十分されるだろう。

と、書いている間に、ビザ,、マスタの株価が高値更新している。
ちょっと上昇しすぎて怖い感じ(=バブルを感じるような)でもある。

5G銘柄として、AT&T、Verizon、Intel、Qualcomm、Corningなどが即浮かぶが、
Visa、Mastercardが5Gの恩恵を受けやすい銘柄と想像して投資を楽しむのは、
(自己責任が大前提だが)醍醐味でもある。

根本は、「風が吹けば桶屋が儲かる」の発想だね。