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2019年6月11日火曜日

記事

ビザ・マスタ。クレジットよりデビットの決済成長率のほうが高い

ビザとマスタを、従来クレジットカード決済のメイン会社と認識していると、
時代に取り残されるかもしれない。時代はもうデビットが主流になりつつあるのかも。

ビザとマスタの決済ボリュームに関して、クレジットとデビットカードの前年比は、
下記表で見ると、デビットカードのほうが良い。

そして、ビザはクレジットカード決済、マスタはデビットカード決済のボリュームが
首位になっている。すでに、マスタのほうがデビットカード決済に移行している。
ここに、ビザとマスタの戦略の違いがあるかもしれない。

Visa
Mastercard
Nominal payments volume 2018 前年比
Global dollar volume 2018 前年比
Consumer credit $3,885 11%
Consumer credit $2,520 11%
Consumer debit $3,253 14%
Consumer Debit and Prepaid $2,724 17%
Commercial $925 14%
Commercial Credit and Debit $657 13%

デビットカードの場合、原則、クレジットカードのような与信審査が不要で、
指定している銀行口座の預金以上には使えない。
クレジットカードの様に、貸し倒れリスクがないので、
カード発行会社はそのリスクを負わなくて済む。
ビザ、マスタはカード発行会社ではないので、そもそも、そのリスクはない。

UnionPayも、クレジットカード決済ではなく、即時決済のデビットカード決済が主流。
中国ではまだ、与信審査のシステムが未成熟なのも要因かもしれない。

これから、ビザ・マスタの業績を見るうえで、クレジットカードのバズワードよりは
デビットカードのバズワードに注意したほうが良いかもしれない。


2019年4月8日月曜日

記事

マスターカードが認識している競争相手

マスターカードの2017年度のAnnual ReportのCompetitionの概略。

①Cash, Check and legacy ACH.
 現金、小切手、そして伝統的な小口決済。

②General Purpose Payment Networks
 一般的な支払いネットワーク。
 すなわち、Visa, American Express, JCB, China UnionPay、Discover, その他だそうです。
We compete worldwide with payment networks such as Visa, American Express,
JCB, China UnionPay and Discover, among others.
③Debit and Local Networks
 デビットカードとローカルネットワーク。
 すなわち、さまざまな国のATMおよびPOSデビットネットワークと競合している。
 ロシアのMIRのようなデビットに焦点を絞った国内カードも含まれていると。
Certain jurisdictions have also created domestic card schemes that are focused mostly on debit (including MIR in Russia).
④ Competition for Customer Business
 顧客事業に対する競争。
 Visa、Mastercard、Amex, Discoverの4社間競争を指している。

⑤Real-time Account-based Payment Systems
 リアルタイム会計ベースの決済システム
 Mastercardが買収したVocalLinkのことを言いたいらしい。
 VocalLinkは、英国で24時間365日リアルタイムで即時決済が可能であり、
 且つ小口決済については安価な手数料(ビジネス用途)または無料(個人ベース)
 で利用できるFaster Paymentsを構築しており、MastercardはそのVocalLinkを買収したと。

Alternative Payments Systems and New Entrants
 代わりの支払システムと新規参入者

 下記の抜粋文章から、Paytm、PayPal、Alipay、Amazon、mPesaが列挙されている。
Examples include digital wallet providers (such as Paytm, PayPal, Alipay and Amazon), mobile operator services, mobile phone-based money transfer and microfinancing services (such as mPesa),  handset manufacturers and cryptocurrencies.

⑦ Value-Added Products and Services
 付加価値の製品とサービス
 一般論の説明なので割愛。

マスターカードが言及した会社、サービス名。

Visa
American Express
JCB
China UnionPay
Discover
Paytm
PayPal
Alipay
Amazon
mPesa
VocalLink(買収済)

PaytmとmePesaは知らんかった。
インドとアフリカでのモバイル送金サービスのことを指すらしい。

私の英文解釈には誤訳の可能性もあるので、正確にはAnnual Reportの英文を
読んでください。

株式は自己責任で。

2019年4月7日日曜日

記事

ビザが認識しているリスクで、具体的に挙げられている会社名

ビザの2018年度のAnnual ReportのRisk Factorsから、ビザ自身が認識しているリスク
要因はこちら。

①規制リスクについての抜粋文章。
Government-imposed restrictions on international payment systems may prevent us from
competing against providers in certain countries, including significant markets such as China,India and Russia.
Mir and UnionPay have grown rapidly in Russia and China, respectively, and are actively pursuing international expansion plans, which could potentially lead to regulatory pressures on our international routing rule (which requires that international transactions on Visa cards be routed over VisaNet).

とくに中国、インド、ロシアの市場に対する政府の規制についてリスクありと。
ミール(ロシア)と銀聯については、急速に成長しており、国際化への拡大計画を
警戒しているようだ。
私の誤訳もあるので、正しくは英文で理解してください。

②訴訟リスク
 どの事業にも訴訟リスクはあるから割愛

③事業リスク
 会社名を特定している文章は下記。
Some of our competitors, including American Express, Discover, private-label card networks, virtual currency providers, technology companies that enable the exchange of digital assets, and certain alternate payments systems like Alipay and WeChat Pay, operate closed-loop payments systems, with direct connections to both merchants and consumers.
警戒しているのは、デジタル資産の交換とクローズドループの支払いシステムだと。
私の誤訳もあるので、正しくは英文で理解してください。

④テクノロジーとサイバーセキュリティリスク
⑤体制・組織的なリスク
 上記の2つは割愛。

リスクの章のなかで、具体的な会社名、製品名に言及しているのは、

Mir
Union Pay
American Express
Discover
Alipay
WeChat Pay

あれ、Mastercardがないけど、いいか、当然の競合相手だから。

株式投資は自己責任で。