2019年6月23日日曜日

記事

ペイパルはビザの2倍前年比決済量を伸ばしている...絶対金額・件数は少ないけど

ペイパルはビザに比べ圧倒的に時価総額は小さいが、
決済件数・金額前年比の伸びは常にビザを圧倒している。




ペイパルは、前年比20%台をIPOから維持。ビザは平均して前年比10%を維持。
ビザが2017年だけ吐出しているのは、ビザ ヨーロッパ買収によるかさ上げがあったため、
比較の数値としては除外したほうがよい。

新興企業であるペイパルのほうが決済件数の成長率は良いし、
毎年20%ずつ伸びているのは、驚異的。

絶対数で見ると、ペイパルの1年間の決済件数は、
ビザが1年で「増やした」決済件数にも満たない
絶対数値の決済額では、ビザの10分の1程度と小ぶり。

これを見ると、「MVP」のようにビザと同じ括りの扱いをされているが、
ペイパルはまだ決済規模としてははるかに小さい。
しかし、それは成長余力期待の裏返しとする見方もできる。


ビザ、ペイパルの10-K資料から数値を抜粋。

VISA PayPal
年度 決済金額
(10億ドル)
決済件数
(百万件)
決済金額
(10億ドル)
決済件数
(百万件)
2008 1,611 36,956

2009 1,621 39,885

2010 1,752 45,411

2011 1,961 50,922

2012 2,066 53,324

2013 2,166 58,472 186 3,261
2014 2,369 64,933 235 3,964
2015 2,594 70,968 282 4,928
2016 2,851 83,159 360 6,295
2017 3,187 111,215 456 7,769
2018 3,499 124,320 578 9,871

※2017年にビザの決済金額、件数が一時的に増加しているのは、
ビザ ヨーロッパの統合によるもの。

MVPで、ビザ、マスタ、ペイパルのどの銘柄を買おうか迷っているなら、
3銘柄に分散して投資するのが、一番賢いような気がする。

分散の目安は、下記の感じでどうだろうか。

ビザは、アメリカ中心。
マスタは、ヨーロッパ圏に強い。
ペイパルは、インターネット決済仲介サービス企業として地位を確立。

この3社は、成長し続ける決済市場にて、お互いに争うというよりも、
お互いに提携して、自分の強みの事業の棲み分けを行っているように見える。


0 件のコメント: