2023年11月5日日曜日

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シーゲル銘柄だった「フィリップ・モリス・カンパニーズ」は今はもういない。

シーゲル教授の著書で言及されている
「フィリップ・モリス・カンパニーズ」は、
今存在して語られているフィリップ・モリスとは別物です。

今名指しされているフィリップ・モリスは、
正確にはフィリップ・モリス・インターナショナルです。
ただし、別物とはいえ、系統は同じです。

アルトリアのwikipediaに、その当時の企業分割の経緯が書かれています。

俺流に解釈すると、

①フィリップ・モリス・カンパニーズだと、
 たばこ銘柄そのもので、何だ、この企業は?となる。
 企業イメージを損なう可能性が出てきたので、
 アルトリア・グループに企業名変更。
 一見、アルトリアだと、何の会社かわからない。のがミソ。

②そして、たばこ訴訟の巨額さに懲りて、今後の訴訟リスクを踏まえ、
 巻き添えを食う恐れのある食品事業を「クラフト・フーズ」として、
 スピンオフ(別会社)する。
 のちに、クラフト・フーズは、
 モンデリーズ・インターナショナル(お菓子部門)をスピンオフ。

③さらに、米国でのたばこ健康被害訴訟は巨額になりそうなので、
 たばこ事業を米国と米国以外に企業分割。
 米国以外に及ばないように配慮し、米国以外の事業を、
 フィリップ・モリス・インターナショナルにして企業分割。
 米国以外では、逆にフィリップ・モリスの認知ブランドを活用して企業名に。

なので、系統的に言えば、
かつてのフィリップ・モリス・カンパニーズ
はアルトリア・グループが一番近い存在になります。

かつてのフィリップ・モリス・カンパニーズの株価を調べるには、
Yahoo!Financeでアルトリアの株価を調べれば、出てきます。
配当履歴も。
2007年と8年の3月に株価が急落していますが、
これは企業分割によるもの。
株価チャートに注釈してみた。
間違っているかもしれないけど、そこは勘弁して。



















シーゲル銘柄として知れた「フィリップ・モリス・カンパニーズ」は、
たばこ事業の他に、買収により食品事業などを掛け持ちしていたので、
今のアルトリア・グループ(お酒・ワイン事業に投資はしているはず)とは
事業形態が違いすぎ。

なんですが、増配基調はアルトリアがフィリップ・モリス・カンパニーズを
世襲していますね。

フィリップ・モリス・カンパニーズを忍耐強く保有していた人は、
今は下記4銘柄の保有者となります。
アルトリア・グループ
クラフト・ハインツ
モンデリーズ・インターナショナル
フィリップ・モリス・インターナショナル

4銘柄とも配当銘柄で、クラフト・ハインツを除き増配基調です。

まぁ、これだけ企業分割して増配でしょう、
どんだけの投資利回りになるか、
フィリップ・モリス・カンパニーズ株保有者は計算するのも、
面倒になる。うれしい悲鳴かもね。

フィリップ・モリスそのものは、人の名前です。ここまで有名になるとは思わなかっただろうな。
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1 件のコメント:

ロング さんのコメント...

ガンプさん、

フィリップモリスカンパニーの株価、それに伴った会社の経緯とても勉強になりました。
ご説明ありがとうございます! 
ガンプさんのように様々な視点から個々の会社の情報をリサーチできるよう勉強し精進していきます。
いつも投稿ありがとうございます!