上司、部下、同僚がどれだけ資本収入を得ているかはお互いに知らない。
日本では、株式投資の話題はご法度。途端に空気が悪くなる。
住宅ローンを抱え、教育費の工面などで残業なしではやっていけない会社員Aと、
配当収入で給与以上の会社員Bがいたとしたら、
両者の労働価値観が交わることはあるだろうかと、思うことがある。
会社員Aは、とにかく残業代や賞与の人事考課を最大限に活用しようとする。
手取り額を増やすには、生産性を下げてでも残業代を稼ごうとする気持ちが動く。
そして、「頑張る」姿勢を上司に猛烈アピールするだろう。
会社に長居することも厭わないし、部下、同僚の手柄も自分の貢献にしてしまうかも。
労働収入を最大限にするために、身を粉にする。
会社員Bならどうだろう。残業代欲しさに頑張る発想が生まれてくるだろうかと?
生産性を上げて、極力、残業をしない方向に頑張る。
例え上司の指示でも、無意味で余計な作業はしたくなくなる。
金のために働く意欲は減る。お金は配当で補えるから。
定型業務なら、コンピュータの力で自動化したいと考える会社員B。
そんなことをしたら、仕事がなくなると不安がる会社員A。
会社員Aから見える会社勤務は、そこが全て。
会社員Bから見える会社勤務は、ただの労働契約にしか過ぎない。
会社員Aが人事考課で高評価されてしまうことは、
会社員Bの労働意欲をなくす可能性があるが、
それが逆に、資本収入の拡大への動機づけになってしまう。
こうやって、格差社会が拡大する。
もちろん、会社員Bが収入を増やすことになる。
0 件のコメント:
コメントを投稿