2019年6月25日火曜日

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米株配当利回り3%の妄想_数値3%の根拠の曖昧さ

まずは、安定した利回りが見込める国債から。

米国債の利回りは下記の通り。

米国債3か月:利回り2.08%
米国債6か月:利回り2.04%
米国債12か月:利回り1.89%
米国債2年:利回り1.73%
米国債5年:利回り1.74%
米国債10年:利回り2.01%
米国債30年:利回り2.53%

日本の国債の利回りは、プラスもので、

日本国債30年:0.32%

オーストラリア国債で、1%越えは、

豪国債10年:1.27%
豪国債15年:1.49%

どれも3%には、届いていません。

S&P500のETFの配当利回りは、Yahoo!Finance調べで、

VOO:配当利回り 2.02%
IVV:配当利回り 1.97%
SPY:配当利回り 1.90%

ダウ平均のETF配当利回りは、Yahoo!Finance調べで、

DIA:配当利回り 2.16%

どれも3%には、届いていません。

3%に届いていない上に、配当課税は最低でも2割以上です。

個別銘柄(AT&T、Altria)なら、簡単に3%以上の配当利回りが得られると、
反論されるかと思います。

しかし、それは配当生活を考える上で、頼りになる銘柄ではあっても、
すべて高配当銘柄のポートフォリオにするには、リスクが多すぎます。

企業は、本来事業の拡大・成長を目指すのが主目的です。
利益をすべて配当で株主に報いる(=配当性向100%)のは、
投資すべき事業機会がない、と(悪くとれば)解釈可能です。

今の時点で配当利回り3%で投資検証をするのは、
高配当銘柄のIBM、AT&T、Altriaだけの組む株式ポートフォリオ検証と
変わりありません。

これらの銘柄は、将来の事業成長リスクが懸念されて、
株価が下落して、結果として、高配当銘柄になってしまった可能性を、
考慮する必要があります。

GEのように、最終的に減配する可能性もあります。
あり得ないことが起こると、ブラックスワンと言って、過去の検証をウヤムヤにします。

現配当利回り3%での投資シミュレーションは、相当リスクがあるものだと思います。


今の世界経済の状況では、
先進国の国債利回りは、たぶんほとんど、3%未満です。
そして、インデックス指数のETFの配当利回りも、たぶんほとんど、3%未満です。
資本経済は、今のその利回りで経済が回っています。